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マンドラゴラ [ハーブ・アロマテラピー]

Dog_Uproots_Mandragora_1.JPG
マンドラゴラは引き抜かれる際に、恐ろしい悲鳴をあげ、それを聞いた者は発狂するか死んでしまう。そのため、ロープを根に結び付け、犬に引かせて掘りだすのが良い。犬はその悲鳴により絶命するが、犬と引き換えにマンドラゴラを手に入れることができる。

こんな恐ろしい言い伝えを持つのがマンドラゴラ
古くから錬金術や魔術に用いられており、グリム兄弟の「ドイツ伝説集」の『絞首台の小人』の話と結び付けられたり、最近では映画「ハリー・ポッター」にも登場したり(マンドレイク)…とまさにファンタジーの世界そのものです。

果たしてこんなあやしい植物が実在するのか――
マンドラゴラ(Mandragora autumnalis ナス科Mandragora属)
mandragora.jpg
地中海一帯に野生するナス科の茎のない、多年草で、卵形から長楕円形の縮れた大きな根生葉がロゼット状に生える。冬から早春にかけてブルーのベル状の花を花茎の上につける。梅の実大の実は春に実り、時には初夏まで野原にある。

古くからマンドラゴラには雄と雌が存在すると言われています。
Mandrake_Womandrake.jpg
マンドラゴラの雄と雌

中世のヨーロッパではその言い伝えばかりが強調され、マンドラゴラそのものに関する情報はほとんど曖昧でした。
マンドラゴラには雄・雌はありませんが、春咲きと秋咲きの2種類が存在します。
春咲きのマンドラゴラは淡い紫褐色の花を咲かせ、果実はリンゴのようで甘い香りがします。おそらく「雄」と呼ばれている方。
また、秋咲きのマンドラゴラは縮みのある葉を地面に広げ、薄紫色の花を咲かせます。こちらが多分「雌」と呼ばれている方。

さて、その実際の効果は…!?
成分
アトロピン(atropine)、スコポラミン(scopolamine)、ヒヨスチアミン(hyoscyamine)などのアルカロイド類。

鎮静、幻覚、瀉下、催吐、鎮痛薬…といったところでしょうか。
また、古くから催淫効果もあるとされており、ツタンカーメンの墓の壁画に描かれていたり、一緒に埋葬されたりしています。
また、旧約聖書の創世記の30章には恋なすび[揺れるハート]という名前で媚薬として登場します。
ヤコブがラバンの娘と結婚する話ですが、ラバンにはレア(姉)とラケル(妹)の2人の娘がおり、ヤコブはラケルに恋をします。でも妹が姉より先に嫁ぐことに抵抗があったラバンは強引にヤコブとレアを結婚させます。ヤコブはレアとの間に4人の子供をもうけ、その後、ラケルとも結婚します。しかしラケルにはなかなか子供ができません。で、ある日、レアの子供が恋なすびを発見し、それを母親に渡そうとするのですがラケルがそれを分けてくれと言い、姉妹で駆け引きをするという話です。

この頃は、まだ恐ろしい悲鳴を上げるなんていうマンドラゴラ伝説はなかったようですね。

これがシェイクスピアの時代になると…
"Shrieks like mandrakes' torn out of the earth."
(大地を引き裂くようなマンドラゴラの叫び)
「ロミオとジュリエット」

と書かれていることから、マンドラゴラが叫びを上げるものと、されていたようです。
また、ジュリエットがあおった毒もマンドラゴラが成分とさせているとうい説もあります。

"...Not poppy, nor mandragora,
Nor all the drowsy syrups of the world,
Shall ever medicine thee to that sweet sleep
Which thou owedst yesterday."
(ケシもマンドラゴラも、そのほかのどんな眠り薬も、昨日までの快い眠りをらたらしはしない)
「オセロー」

睡眠薬としても知られていたということでしょうか。

いつか本物を見てみたいと思いますが、怖くて触れない気もします。
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コメント 6

きゅきゅ

面白いですね。植物に伝わるファンタジーは沢山ありますが、これは知りませんでした。
ホントに実物を見てみたいですね。
日本にもあるのかな?
by きゅきゅ (2011-02-18 20:01) 

Tarot-Reader

きゅきゅさん、コメントありがとうございます。

ちょっとマニアックでしたね(^ ^;)ハーブでもないし。
でもこういう荒唐無稽なおとぎ話のような中に潜む真実を探るのって、すごく楽しいです。

地中海一帯に生息しているので、似た気候の所なら育てるのは可能だと思いますが、誰か育ててないかな。
by Tarot-Reader (2011-02-18 22:32) 

マイン

マンドラゴラって、植物の突然変異なのかと思ってたら本当にこんな形に生えるんですね^^;

きっと昔の人は育ててたものなのに、現代では何故栽培されなくなたのか。。。(いや、昔の人も一部の人だけが育ててたのかな??^^;)

by マイン (2011-02-20 21:42) 

Tarot-Reader

確かにセクシーな大根とかありますけどね。

わざわざ栽培しなくても勝手に生えてたみたいですよ。
割と強い作用があるので、中世のヨーロッパの人の想像力を刺激した結果、こんな植物になっちゃったんでしょうね。(想像の中で)

by Tarot-Reader (2011-02-20 21:57) 

ままみ

初めまして!^^
中世ヨーロッパの哲学や思想に目を向けるきっかけを与えて下さる記事、大変興味深いです。
「マンドラゴラ」
私はその存在を、「エコエコアザラク」という昔の漫画で知ったのですが、植物が叫んだり声を聞いたら死ぬという発想は大変恐いです^^;

ナス科の植物は意外と身近にあるのに、幻覚作用など強い毒性を持つものが多いみたいですね。
家のチョウセンアサガオや、エンゼルトランペットを放っておいたらどんどん茂ってきて、毒性がある事を知ってから何だか怖くてひっこ抜きました^^;
しかし種が散っていたらしく、抜いても抜いてもどこからか芽が出ていましたっけ。。
ナス科の植物の生命力、恐るべしです。

by ままみ (2011-02-21 14:25) 

Tarot-Reader

始めまして、ままみさま。
コメントありがとうございます。

私は初めてマンドラゴラを知ったのは、小学生の頃見た「エクスカリバー」という映画でした。確かリーアム・ニーソンのデビュー作。

ナスって灰汁がありますしね。
やっぱりナス科の植物って有害なものも多いんでしょうね。
エンゼルトランペットはあの独特の匂いが苦手です(x_x;)
あと種(?)の入った丸いとげとげが何とも不思議な感じがします。

植物も、歴史や文学の観点から掘り下げてみると、また違った見方ができておもしろいですよね。
by Tarot-Reader (2011-02-22 00:17) 

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