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月を踏む女 [キリスト教]

タロットの中には、月に足を載せているカードがたまにあります。
これは、オズワルド・ウィルト版のタロット↓。

女帝.jpg

そして、これはルネッサンスのヨーロッパでも「無原罪の御宿り」でも見られます。

ムリーリョ.jpg

ムリーリョ2.jpg
上2枚はムリーリョ

ミレー.jpg
ミレー


ルーベンス.jpg
ルーベンス

だからと言って、月を踏む女=聖母マリアとするのは少々気が早いでしょう。
というのも、この記述は新約聖書のヨハネの黙示録の以下の記事に由来するからです。

また、天に大きなしるしが現れた。一人の女が身に太陽をまとい、月を足の下にし、頭には十二の星の冠をかぶっていた。女は身ごもっていたが、子を産む痛みと苦しみのため叫んでいた。また、もう一つのしるしが天に現れた。見よ、火のひょうに赤い大きな竜である。これには七つの頭と十本の角があって、その頭に七つの冠をかぶっていた。竜の尾は、天の星の三分の一を掃き寄せて、地上に投げつけた。そして、竜は子を産もうとしている女の前に立ちはだかり、産んだらその子を食べてしまおうとしていた。

こう書かれていますが、この女がマリアであるという記述も、生まれた子供がイエスだと言う記述もありません。

バンベルク.jpg
竜と女の描かれたバンベルクの黙示録
※「バンベルクの黙示録」とはオットー朝時代に作られた黙示録の挿絵本です。

デューラー.jpg
こちらはデューラーの版画

では、なぜこの黙示録の女が聖母マリアと同一視されるようになったのでしょうか。
竜にこれから産まれる子供が狙われるという状況が、ヘロデが産まれてくるイエスを狙っている、という状況やその子が国民を治める立場になったこと、神の玉座に引き上げられたこと、などが似ていたからでしょう。

これはマグダラのマリアでも見られる現象です。いつのまにかイエスに香油を塗った女になったりマルタの妹にされたり…。



ですから、月を踏む女や、十二の星の冠をかぶった女がタロットカードに描かれていたら、「無原罪の御宿り」の聖母マリアと同時に「黙示録の女」を念頭に入れつつ、リーディングしていくと間違いがないでしょう。
一番いいのはタロットの制作者の意図をくみ取ることですが、古いタロットの場合は時代考証をしてみるといかもしれません。
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マイン

聖書って読むだけではちんぷんかんぷんで難しいんですが、こういう風に色んな文献と合わせて教えていただけるとすごくわかりやすいです^^;
何故月を踏む女じゃないといけないのか。。。昔の人は想像力豊かですね。
by マイン (2012-02-09 17:52) 

Tarot-Reader

聖書がチンプンカンプンなのはきっと翻訳のせいだと思います。
もうちょっとどうにかならなかったのか、と。

そのために宗教画や彫刻があって、メディアとして私たちに視覚的にうったえてくるのでしょうけど。
絵や彫刻と合わせて聖書を読んでいくのも楽しいかもしれません。
by Tarot-Reader (2012-02-09 20:04) 

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